[第10回]結成35年目のボードベースクラブに訊く 草野球チームのつくり方とは!?

草野球チームのつくり方 | 2018年10月29日

結成35年目のボードベースクラブ

第10回目の今回は、チーム結成35年と、とても長い間、草野球チームを運営してきた「ボードベースクラブ」の監督にメンバー編成のコツ、草野球チームを作るためのアドバイスについて聞いてみた。

ボードベースクラブ監督 渡辺氏に直撃インタビュー 長くチームを続けるためには?

-- 結成年はいつですか?また、野球チームをつくるきっかけは何でしたか?

当時150名程の社員のいた会社にお願いして野球チームを作らせて頂いたのが35年程前の25歳の頃でした。
その会社は広告代理店と書店を経営しており、ユニホームから野球道具一式までを支給してもらいました。
バブルの真っ只中頃と記憶しております。

-- 存続の危機に陥った年はありましたか?またそれは何年目でどんな理由でしたか?最後に乗り越えられた理由はなんでしたか?

結成数年後にはやはりメンバーの出入りはありました。
単純に来なくなる者、入社と同時に参加する者、知り合いの紹介で参加する者、3番地助っ人募集から参加する者…
そんな最中、自分も結婚や育児等で活動回数が月1回程度の時期がありましたが細々とながらも続けていたのですが毎回助っ人さんを呼ばないと9人集まらず四苦八苦していた頃『近鉄合併』という衝撃的な年が、遡ること15年前ぐらいにありました。
その追い風の中、半分洒落で大学生チームとの合併をしました。
また5年後にはもう1チームと合併をして現在に至っております。
やはり若返りも含めて、常に新しい血を入れなければ20年、30年と存続出来るものではないですね。
うちはそのメンバーに恵まれたことが大きな財産となりました。

-- メンバー編成のコツはありますか?また、長く続けられるチームをつくるために大事なことは?

現在自チームは大学生、30・40・50代と幅広い年齢層で成り立っています。
職業も会社員から教師、郵便局員、鉄道員、弁護士、裁判官と千差万別です。
この年齢層が定期的に同じ時間を過ごす事の価値を常に感じております。
大好きな『野球』という空間で貴重な休日を、世代を超えた者が集えることに感謝しております。
ここでいつも忘れてはならないことは少しでもこのチームで『人として』を学んでもらえたらと思っております。
利害関係のない者同士が、長年一緒に野球をする為には常に人様を第一に考えなければいけないという事を。
人の為、チームの為に動いたことは、必ず自分に戻ってくるものですから。
還暦を迎えても楽しく毎週野球が出来ることがその証です。

-- メンバーのモチベーションを上げるイベントなどはありますか?またチームの反応はどうでしたか? 例)年俸を取り入れる、野球合宿をするなど

年間成績の表彰、合宿、飲み会などここ数年は結婚するメンバーが頻繁にあり、その披露宴~二次会といったイベントもありますね。
昔は野球の後に食事してボウリングに行ったりとかもありましたが…
現在はなるべく試合数を増やすことだけに主眼をおき、家庭サービスや仕事等、他の時間に費やしてもらってます。

-- これから草野球チームを作ろうとしている方にアドバイスするとしたら?

自チーム数年前から首脳陣3名で運営しております。
分業制は長くチームを続ける上で必須と考えております。
結成当時は、全てを一人でやってましたが、やはりそれには限界があります。
全て一人でやっておられる監督さんも少なくないと思いますが、それではご自分のお仕事や家庭に必ず影響を及ぼします。
15名程いれば必ずやお二人程、助けてくれる人がいるはずです。
野球をする人間はいい奴ばかりですから!

ただやはり監督さんは大変です。
道具管理やら、集金やら、グランド手続きやら、大勢集まればDHや控えに甘んじたりなどなどなど…
でも大好きな気の合う仲間と大好きな野球が出来るなら、ちっとも苦にならないですよね。
お若い方はなかなかそう感じることは難しいかもしれませんが、草野球の監督をされている方とは大勢お会いしておりますが、仕事でも要職を務めておられる方がとても多数おられます。
「なんで俺がこんなことまでやらないといけないんだ」と思うこともあるでしょうが、その一つ一つがあなた自身を知らず知らず大きくしていることに誇りを持って下さい。
35年間、監督をやってきた私からのエールです!
監督さん! 頑張って!

長く続けるためには、若い人に来てもらうようなチーム作りと分業制が必要

35年と長い間ボードベースクラブを運営してきた監督のインタビューはいかがだっただろうか?これだけ長くチーム運営を続けてきたボードベースクラブのメンバー編成のコツなどは、草野球チームを作るためのアドバイスは役立つ内容だったと思う。

監督のインタビューで、特に重要だと感じたのは、「若い人に来てもらうこと」と「しっかりとした分業制」だ。野球は、最低9人いないと、試合が成立しないスポーツで、草野球チームは、休日にする娯楽であるが故に、人材集めに苦労する。35年間続けているボードベースクラブにも、存続の危機に陥った年があった。

その時は入社と同時に参加する人、知り合いから呼ばれた人でチームを結成するが、助っ人にも頼らなくてはならない状況に。挙句の果てに、大学生チームと合併して現在のボードベースクラブに至る。ただその時に、新しいメンバーが入ったのが、チームを継続できている要因だと監督ははなしている。

若い人・新しい人を呼び込まないと、人が増える循環ができず、チームを継続できない。なのでボードベースクラブのように、大学生を呼ぶというのも、対応策の一つとして挙げられる。次に重要なのは「分業制」だ。ボードベースクラブでは、首脳陣3名で運営するという分業制で運営している。

結成当時は全て1人でやっていたが、限界があった。草野球の監督は大変で道具管理・集金・グラウンド手続きなど大変なことが多い。だからこそ分業制が、必要だと監督ははなしている。監督が一人で、責任を抱えるのではなく、草野球を楽しく継続したいのなら、やはりみんなの協力が必要だ。

草野球の運営は大変だが、そこにしか生まれない出会いがある

草野球を運営するには、以上のように大変なこともある。ただそこで形成されたコミュニティには強さがある。草野球は参入障壁が低いことから、ボードベースクラブでも大学生・30・40・50代。職種も会社員・教師・弁護士・鉄道員などで事情も様々。

違うタイプの人間だけれども「草野球」という共通項があるからこそ、普段会わないタイプの人とも楽しい時間を過ごすことができる。普通では出会えなかった出会いがあるのが、草野球なのだ。そんな出会いの大切さを理解し、大事にしていくこと。これこそが草野球を運営する上で一番大事なことなのではないだろうか。

巡り会いの中で生きていく草野球人生、ボードベースクラブの野球観に感服だ。

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