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同点に追いついて迎えた8回、早稲田レッズ・イルドンが打ち返した強烈な打球が大島が守る内野の頭上を超えて行った。

ボードベースボールクラブのシリーズ優勝という夢は絶たれた。

草野球チャンピオンシリーズ二回戦、シード権を獲得していたボードベースボールクラブにとってはトーナメント初戦であった。

ボードベースボール先発の池上は初回、安打こそ許さなかったが3四球、味方の失策が絡んでの2失点。トーナメントという一発勝負で完全に後手に回った。

さらにボードベースボールクラブを苦しめたのが、早稲田レッズ先発の剛腕エース・スンジェ。鞭のようにしなる腕を豪快に振り下ろし、得点を与えない。

試合中盤、ようやくエース・スンジェの攻略法を見つけ出し同点に追いつくが、あと一歩が攻めきれない。

6回、早稲田レッズがマウンドに送ったのは2番手・スンフン。

巧みな投球でボードベースボールクラブに反撃を許さなかった。

そして勝負を分けた延長8回が訪れた。

幸先良く2アウトを取ってから悪夢が待っていた。

最終打者の早稲田レッズ・ウンギがヒットで出塁すると続く早稲田レッズのキャプテン・イルトンが強烈な打球を外野の彼方へ放った。

試合後、ボードベースボールクラブ・大島はコメントを残している。

「これだけチームの気持ちが入った試合は初めてだったし絶対勝ちたかったのに、今までボードの数百試合やってきた中で1番悔しい試合だった。」

相手勝ち越し打の打球が抜けていった瞬間だけが頭に鮮明に残っているという大島の言葉はボードベースボールクラブ全員の思いでもあるだろう。

「山村さん、石田さん出れなかった人には勝てなくて申し訳ない。
がみちゃん好投を援護出来ず申し訳ない。」

悔しさで項垂れながら謝ることしかできない大島をチームメンバーは誰も責めたりはしなかった。

監督の渡辺は最後にこう締めくくった。

「勝負は紙一重だった」

それぞれの草野球チームにはそれぞれのストーリーがある。
今回草野球チャンピオンシリーズに出場が叶わなかったチームのストーリー、勝ち上がりを果たした早稲田レッズのストーリー。

それぞれのチームのストーリーを紐解くと実に様々な思いがあることが分かる。

大島のストーリーもここで終わりではない。
来季に向け、自慢の走塁をさらに磨きあげ、チームの為に走り続けているだろう。

「来年までリベンジ出来ない事が悔しい、ただ来年のモチベーションを保つ新しい目標が出来たので、そのためにもまた練習していくしかない！
みんな来年は絶対にリベンジしよう！！悔しさ晴らすために走ってきます！！」

草野球チャンピオンシリーズ優勝への道は逃したが、ボードベースボールクラブ・大島は歩みを止めるつもりはない。

ボードベースボールクラブ所属　大島 (19)

リーグ参加初年度からボードベースボールクラブ不動の3番として全試合に出場し、打率.316、打点5、盗塁15と光速の盗塁王の異名を持つ。
リーグ管理人が「一人だけ盗塁数がおかしい！」と絶叫したほどの大活躍。
しかし、草野球チャンピオンシリーズ2013年では早稲田レッズに敗れ、二回戦敗退に終わった。