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出塁率、盗塁数、長打率、チーム3冠王

今季からスカイツリーグに参加した恵比寿モレーナ。
初年度として、スカイツリーグの洗礼を浴びる形となり、苦戦を強いられた。
それでも、リーグのルールに乗っ取った戦いでリーグ3位となり草野球チャンピオンシリーズに出場した。
チャンピオンシリーズでは惜しくも初戦のLabyrinth戦で敗戦と涙を飲んだ。

その中でひときわ輝いた選手がいる。
不動の4番打者、米川誠也である。

シーズンは9試合に出場し、打率.455とチーム最高打率の長距離バッター。
また類い稀な体格から繰り出すケタ外れに速い「スイング・スピード」でヒットを量産、
チーム内では出塁率、盗塁数、長打率の三冠王を獲得し、リーグでの話題を集めた人物である。
(尚、規定打席に達した選手としては打率、打点も含めて五冠ともなる）

練習は嘘をつかない

シーズン打率.455というバッティング技術の秘訣は「練習」であると米川は語る。

「やはり練習だと思います。
10年前に運動不足で始めた野球チームですが、
自分のためにもチームのためにもリーグ開始当初は、夜中にバットを振って練習していました。
リーグ後半は仕事が忙しくバットを振っていなかったので成績も下降ぎみです。
あと、マイバットを買ったのも良かったのかも知れません。」

流した汗の数だけ結果が出る。
夜中に振ったバットの回数は果たしてどれほどになったのだろうか。

もともと体格もよく、パワーがある印象もある。

「中学を卒業するくらいの時には、今と同じ身長でした。
体重は、６３Kg しかないガリガリでしたが、何十年という飲酒の効果もあって、横に広がりました。」

本人は笑ってそう答えたが、広がった横の広がりは、野球をするうえで効果をもたらした。
素振りの効果も、実を結んだのか。
彼のスイングスピードはかなり速い印象がある。
現に威圧感を相手投手に与える効果もあるようで、四球数もチーム２位の５個と２試合に１つのペースとなった。

４番なので脅威を思われているなら嬉しい限りです。

４番としてチャンピオンシリーズを含めて９試合に出場。
そのうち、出塁しなかった試合はわずか１試合である。
2013年09月08日対 KOREANS戦では全打席で出塁と選球眼もあることがうかがえる。

「スイングスピードを少しでも速く「振りきる」こと。
そして、自分のタイミングで打つように心がけています。
僕は、どうしてもヘッドを先に振りにいってしまう癖があるので
ちゃんと腕をたたんで、バットの根っこから引っ張ってスイング始動！
みたいに意識していますね。
スイングが速くなれば、その分長い時間、ボールを見る事ができますし。」

打席に立つ際には常に速く「振りきる」ことを心がける。
最短距離で打球をインパクトする。
ぎりぎりまでボールを見ることが可能となる。
四球が増えること。出塁率が上がることはもはや明白である。

さらに彼の魅力は脚力だ。
高い出塁を持って、相手バッテリーの隙をついて走る。
これは自分が捕手だからということも在るのだろう。
チーム盗塁数も２５ということで、来季彼の指導の下、
足でかき回す試合展開を見てみたいとも思う。

４番の役割とは一発でムードを作れる（変えられる）バッター

４番打者はチームを代表する打者が座る。
相手チームの警戒も非常に高くなるものである。
その中でも米川はしっかりと結果を残してきた。

「下位打線と違って相手のバッテリーは厳しいところをついてきますよね。
真ん中なんて１球も来ない。それでも結果を残さなければならない。
他のチームの４番の方も、そのプレッシャーはあるかと思います。」

常にあるプレッシャー。相手投手からの厳しい攻め。
にもかかわらず今年、見事な好成績を挙げたのは、
彼のテクニックであり、４番としての器があるということだろう。

チームの４番としての役割はという問いかけにも真摯に答えてくれた。

「一発でムードを作れる（変えられる）バッターになりたいですね。
その点は、今年は良い結果が出たので自分でも４番の仕事としては満足しています。」

来季も今季以上の結果を出してもらいたいものだ。
この心構えと練習量ある限り、必ず結果はついてくるはずである。

来季はチームの勝利を貪欲に狙う

印象に残ったチームがどこかあるかと質問すると対戦した全チームの名前を挙げたが、
その中でも一番はと尋ねると不動前ECEという答えが返ってきた。

「今年参加したばかりのFリーグでは、僕たちは実力がないのに
CSに出場できたのも、試合数を10試合全部こなしたからです。
不動前さんとは、試合後に「１０試合こなしてCSに出場しよう！」と約束しましたから。
その約束が果たせたのも嬉しいです。」

同一リーグを１位通過した不動前ECE。
そのチームと交わした大きな約束。
参加初年度から全試合戦い、CSにも出場した。
米川だけではなく、チームとしての経験も大きかったのではないだろうか。

そのような恵比寿モレーナの来季の課題は投手力と守備力である。

「来年の課題は投手力＆守備力なので、投手部門の個人タイトルも作って
チーム内で競い合って切磋琢磨できる環境をつくる事。これが抱負です！」

恵比寿モレーナはチーム内でタイトルホルダーを決定し、
３部門でタイトルを獲得した人は野球に関わる賞品を提供しているという
気概のいいチームである。
ちなみに現在あるタイトルは下記３タイトルである。

１．得点するために必要な「出塁率」
２．得点圏へと進塁する「盗塁数」
３．得点するための「長打率」

その３タイトルを見事に今季達成した米川。
選手たちのやる気を挙げるタイトルホルダー制度はなかなかに面白い。
投手力と守備力が向上すれば恵比寿モレーナの来季成績は飛躍的に向上することだろう。

個人としての抱負は
「チームが１つでも多くの勝利をつかむ事への努力！かな？」
あと、二年連続三冠王も、こっそり狙ってます(笑)」

と応えてくれた。
米川が打を引っ張り、投を引っ張る選手が出てくれば、来季台風の目となりそうな存在である。

個人的には米川の長打力を見せつけるために来季は今季なかった１発を放ってほしいと願う。
それは決して不可能な選手ではないはずだからである。
出塁し、塁を駆ける。そして一発も放てる選手として、更なる飛躍を期待したい。