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昨年の対戦で僅差の試合内容だった両チームが、CS3回戦進出を賭けて再び激突した。
若手エースの故障者リスト入りに男気炸裂―ベテラン投手ISO(17)の熱投に加え、集中力の高かった打線が9安打8得点。
昨シーズンCS準V・Dokantを8対6で下し、武蔵台ARROWSがCS3回戦進出を果たした。

男気から勇気、そして普遍の愛へと高らかに謳い上げるISO劇場開幕

昨シーズンのチーム投手3冠、武蔵台ARROWSの若手エース・TAKA(12)の故障者リスト入りを知ったとき、ベテラン投手・ISO(17)は何を思っただろうか。
男気溢れる彼のことだから、チームの危機を察してすぐに腹をくくったに違いない。
「俺が投げる」
この瞬間、ISO劇場の上演が決まった。

対戦成績で上回っているとは言え、Dokant打線は相当手強い相手だった。昨年の試合もロースコアの厳しい戦いを強いられた。

彼自身、多少の不安はあったが、生来の男気と投手魂、そしてベテランならではの粘りが冴え渡り、6回を被安打5、8奪三振の熱投を演じた。

ISO投手は今シーズンすでに12イニングを投げており、自身キャリアハイとなる最多イニング数（過去最高は16イニング）への期待がかかる。

初回に２点取られたものの、大崩れしなかったのは、逆に冷静になれたからかもしれない。
ベテラン左腕の放つ球は気迫に満ち、相手打者の懐深くに次々に突き刺さっていった。
「ベテランは若手の踏み台のために存在するんじゃない」
そう叫んでいるかのようだった。

精神と体力の限界に挑み、投げきったISO劇場は、男気が勇気へと変わり、そして勇気が普遍の愛へと昇華していくさまを高らかに謳い上げてくれた。

Don't cry、犠牲フライ、OH MY HERO

ベテランと若手が上手く機能している武蔵台ＡＲＲＯＷＳ

ISO劇場に沸いた今回の試合、実は、もう一人主役がいた。
チームのムードメーカー・OH(30)だ。
勝敗を分けた2回裏、ARROWSの攻撃。

Seita(15)がライト前ヒット、続いてTashiro(11)が四球を選び、SIMA(1)が三振に倒れた後、9番OH(30)に打順が回ってきた。

犠牲フライでも1点返せる重要な場面。
夜の宴会男はこの打席、目の前の投手だけに集中していた。
ISO(17)の男気にも応えたかったし、宴会だけでなく昼間でもやれることを見せたかった。
Dokantのてっちゃん(14)の粘投を上回るほど粘った末、犠牲フライを放ち、執念で走者を還した。

一本足打法で打席に立つ武蔵台ＡＲＲＯＷＳのOH

この犠打をきっかけに集中打が続き、この回で一気に逆転。
ISOの熱投の他に、OHの犠牲フライが勝因の一つとなった。

ゴリゴリの元高校球児だけでなく、経験の浅い選手でも勝利の立役者になれる。
「野球素人が主役になり、かつ素人野球のテッペンを目指す」スカイツリーグのリーグコンセプトを象徴する名シーンだった。

鉄板の宴会芸の他に、彼は『犠打』という新たな強力ウエポンを手に入れた。
その瞬間、ドラクエのレベルアップ音が鳴り響いた。

一戦必勝を合言葉に、個性束ねられた矢はCS王者の栄冠を射抜くことができるか

ISOは打撃でもチームの要として存在、昨シーズンは打率.394と自己ベストとなる成績を残した。

CS3回戦進出を賭けた大事な一戦は、ISOとOHのダブル主演で大いに盛り上がり、武蔵台ARROWSが昨年CS準V・Dokantを逆転の末破った。

主戦バッテリーの不在を埋めるべく、ベテランから宴会部長まで各選手が個性光る矢となって、勝利を射止めたARROWS。

さらには、2019年加入の期待の新人Hirano(9)を4番に抜擢し、2安打の活躍という明るい材料も得られた。ここに正捕手のNAKANE(4)が戻ってくれば、分厚い打線が組めることは間違いない。

一戦必勝を合言葉に束ねられ、力強い一本となったその矢は、CS王者の栄冠を射抜くことができるか。吉報を待ちたい。

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